動機づけ面接(Motivational Interviewing: MI)は、1980年代にアメリカの臨床心理学者ウィリアム・R・ミラーとスティーブン・ロルニックによって開発された、人の行動変容を促すためのコミュニケーション技法です。
従来の指示的なアプローチとは異なり、MIは、本人が自ら変化への意欲を高め、行動を起こせるように、対話を通して支援することを重視します。
近年、医療、福祉、教育、司法など様々な分野で注目され、その効果が実証されています。
そして、MIの普及と質の向上を目的として、「動機づけ面接技能検定」 が実施されています。
検定の概要
動機づけ面接技能検定は、一般社団法人 日本動機づけ面接協会が主催する検定試験です。MIの知識と技能を客観的に評価し、一定水準に達していることを認定します。
検定は、筆記試験と面接試験(ロールプレイ)から構成され、レベルは3段階に分かれています。
レベル1: MIの基本的な知識と技能を有し、実践の基礎を習得している。
レベル2: より高度なMIの知識と技能を有し、様々な場面で応用できる。
レベル3: MIのエキスパートとして、指導や supervision ができる。
受験資格
レベル1: 特に制限なし。MIに関心のある方であれば誰でも受験可能。
レベル2: レベル1合格者、または、所定のMI研修を修了した者。
レベル3: レベル2合格者、かつ、所定のMI研修を修了し、一定の実務経験を有する者。
試験内容
筆記試験: MIに関する基礎知識、理論、技法などが出題されます。
面接試験: 受験者は面接者役となり、模擬クライアントとのロールプレイを通して、MIの技能を評価されます。
合格基準
筆記試験と面接試験の両方に合格する必要があります。
受験料
レベルごとに異なります。
検定のメリット
客観的な評価: MIの知識と技能を客観的に評価することで、自身の強みや課題を把握できます。
スキルアップ: 検定合格に向けて学習することで、MIの知識・技能を向上させることができます。
信頼性の向上: 資格取得は、MIを実践する上での信頼性向上に繋がります。
キャリアアップ: 医療、福祉、教育など、様々な分野でMIの需要が高まっており、資格取得はキャリアアップに役立ちます。
学習方法
書籍: MIに関する書籍や論文を読んで、基礎知識を習得しましょう。
研修: 日本動機づけ面接協会などが主催する研修に参加し、実践的なスキルを学びましょう。
実践: 実際の場面でMIを実践し、経験を積み重ねることで、技能を磨きましょう。
スーパービジョン: 経験豊富なスーパーバイザーから指導を受けることで、より効果的にスキルアップできます。
動機づけ面接技能検定の活用例
医療現場: 患者さんの治療意欲を高め、治療 adherence を向上させる。
福祉現場: 利用者さんの自立を支援し、社会参加を促進する。
教育現場: 生徒の学習意欲を高め、主体的な学習を促す。
司法現場: 受刑者の更生を支援し、社会復帰を促進する。
企業: 従業員のモチベーションを高め、パフォーマンス向上を図る。
まとめ
動機づけ面接技能検定は、MIの知識と技能を客観的に評価する資格です。資格取得は、自身のスキルアップ、信頼性向上、キャリアアップに繋がります。MIに関心のある方は、ぜひ受験を検討してみて下さい。
参考情報
一般社団法人 日本動機づけ面接協会